詳細
本作品は、後述するコンセプトを軸に、偏光フィルムを剥がしたモニターと、偏光フィルムおよびマウスセンサーを組み合わせた窓型デバイスを用いて、人間とコンピューターの操作関係を問い直すインタラクティブ作品である。 通常、モニターから偏光フィルムを剥がすと、表示されている映像は肉眼ではほとんど見ることができなくなる。本作品では、窓の形を模したデバイスに偏光フィルムを取り付け、その窓を通した範囲のみ、モニター上の映像が見えるようにしている。また、デバイスにはマウスセンサーが搭載されており、体験者が窓をモニター上で動かすと、その移動に合わせて画面上のマウスカーソルも移動する。 体験者は、画面全体を見渡しながらカーソルを自由に操作することができない。見たい場所へ窓型デバイスを移動させ、その限られた視野の中でカーソルの位置や画面上の対象を確認しながら、PCを操作する必要がある。これまで身体の一部のように円滑に扱うことのできたマウスカーソルが、本作品では、身体を寄せ、位置を調整し、注意を向けなければ操作できないものとして現れる。 PCのデスクトップ上には、窓から撮影した映像、Google Earth上の風景を切り取った画像、窓を詠み込んだ短歌など、窓をモチーフとした複数のコンテンツを配置している。体験者は物理的な窓を動かしながら、画面内に存在するさまざまな窓を発見し、それらをたどっていく。物理的な窓型デバイス、コンピューター上のウィンドウ、映像や文章の中に表現された窓を重ねることで、見ること、切り取ること、操作することの関係を体験として構成している。