詳細
本作品は、後述するコンセプトを軸に、顔画像の表情を変換する「LivePortrait」を用いて、体験者自身の愛想笑いに対する理解を問い直すゲームアートである。 体験者は、Web会議サービスを模した画面上で、Unreal Engineによって制作されたMetaHuman同士の会話劇を鑑賞する。会話の流れの中で、体験者は周囲の登場人物に合わせて愛想笑いを行うよう促され、その瞬間の表情をWebカメラで撮影する。同時に、体験の冒頭で撮影した体験者の真顔をもとに、LivePortraitを用いて複数の笑顔画像を生成する。これらの生成画像は、体験の進行や展開を構成する演出として使用される。その後、実際に撮影された体験者の愛想笑いと、AIによって生成された複数の笑顔画像が並べて提示される。体験者は、その中から自分が実際に行った表情を選択する。自身の愛想笑いを生成画像と見分けられない状況を生み出すことで、自分の表情に対する確信が揺らぐ感覚や、自己認識と実際の表情とのずれを体験させる。 また、体験中に表出された愛想笑いの程度に応じて、会話の展開や映像演出、エンディングが変化する条件分岐を設ける。これにより、愛想笑いを入力行為として取り入れるとともに、自分の表情がAIによって生成された表情と区別できなくなる不気味さを、ゲーム的な体験として構成する。 実写の顔画像、生成AIによる表情変換、CGキャラクターとのコミュニケーション、クイズ形式の選択、条件分岐による物語展開を組み合わせることで、体験者が楽しみながら自分自身の表情と向き合い、その理解の曖昧さを実感する作品である。